弁護士田中宏幸のコラム
2014年01月10日 金曜日
遺留分減殺請求権
Q 被相続人が全ての財産を生前贈与したり遺贈した場合、生前贈与や遺贈を受けなかった相続人は遺産を全く取得することはできないのでしょうか。
A 法律はこのような場合に備えて、相続財産のうち一定割合を相続人(兄弟姉妹を除く)に確保できるようにしています。
この一定割合を遺留分といいます。
遺留分は残された相続人の生活保障のためや、遺産の分配において相続人同士の公平をはかるために設けられた制度です。
この遺留分を確保するためには、遺留分侵害を知ったときから1年間の時効期間内に権利行使することが必要ですので、注意して下さい。
2014年01月06日 月曜日
一部相続人を欠いた遺産分割の効力
Q 知っている相続人の間で遺産分割の協議をしたところ、その後、別に既に認知を受けていた相続人の存在することが判明しました。
既に済んでいる遺産分割協議の効力はどうなるのでしょうか。
既に遺産を分割し終わっているときはどうでしょうか。
A 相続人を欠いた遺産分割協議は原則として無効となります。
従って、遺産分割の協議から除外された相続人は改めて遺産分割の請求ができます。
既に遺産が分割済みであっても、遺産分割が無効であることに変わりはありません。
但し、死後認知によって相続人が現れた場合は遺産分割そのものは無効にならず、金銭の支払いで解決がはかられます。
2014年01月02日 木曜日
明けましておめでとうございます。
新年おめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。
今年も親族兄弟が亡き父母のお墓の前で集まり新年を祝いました。
その後、レストランで食事をして実家の家でしばらく団欒の時を過ごしました。
6年前からさせて頂いている離島での法律相談と講演は、
陸の孤島と言われる奥出雲にもこの3月に予定しています。
その他の離島には、南大東島と東北の被災地の離島を予定しています。
このボランティアは手弁当を作れる限り継続していきたく思っています。
相続問題は親族の感情や思いが異なるだけに解決が困難なケースが目立ちます。
お困りの時はどうぞご相談ください。解決へのお手伝いをさせて頂きます。
大阪難波の法律事務所
田中宏幸法律事務所
弁護士 田中宏幸
2013年12月26日 木曜日
遺産分割協議の方法と内容
Q 父の相続人として母と兄と私の3人がおり、父の遺産を分割することになりましたが、兄が転勤で遠方におり、分割協議書を送ってくれれば署名して捺印するといっています。
また、相続としては形見分け程度でいいといっています。
こういう方法でも協議したものとして遺産分割は有効なのでしょうか。
また、相続人のうちの1人の取り分が形見分け程度でもよいのですか。
A 遺産分割は協議して決めるのが原則です。
しかし、必ずしも相続人が全員一堂に会して協議する必要はなく、相続人のなかの一部の人が遺産分割案を作って、遠方の相続人に送ったり、又は持ち回りの方法で協議することもできます。
これらの方法でも合意ができれば、協議による遺産分割ということになり有効となります。
各相続人が現実に取得する相続分が法定相続分と一致する必要はありませんので、お兄さんが形見分け程度であっても、その自由意思に基づくものであれば、分割協議が無効になることはありません。
但し、後日のため、協議で決まった内容を遺産分割協議書として残しておくことが大切です。
2013年12月25日 水曜日
債務の遺産分割
Q 債務について、遺産分割はどうなりますか。
A 債務についても、相続人の分割協議によって、だれが負担するのかを決めることができます。
しかし、債権者(例えば銀行)がいますので、債権者の同意がないと、債権者に対し、このことを対抗することはできません。
債権者の同意がない場合は、原則どおり各相続人は法定相続分に応じて債務を承継することになります。
そうしないと、プラスの財産のみを特定の相続人に取得させ、マイナスの財産(債務)を他の相続人に相続させるような方法がなされると、債権者の権利が害される恐れがあるからです。