弁護士田中宏幸のコラム
2014年04月11日 金曜日
相続分の譲渡人の調停手続参加の要否
Q 遺産分割の調停申立て前に、他の相続人に対して、相続分を譲渡した相続人は、調停手続の当事者として参加しなくても良いですか?
A 遺産分割の調停申立て前に、共同相続人のうちの1人(譲渡人)が、他の共同相続人(譲受人)に対し、相続分の譲渡をしている場合、譲渡人が共同相続人として有する一切の権利義務は包括的に譲受人に移転されます。従って、相続分の譲渡によって、譲渡人は遺産分割手続の当事者適格を喪失します。
そこで、調停申立時に、譲渡人が譲受人に相続分を譲渡したことを証する文書の原本(譲渡証書等)を提出していただければ、譲渡人は、当事者として手続に参加する必要はありません。
ただし、利害関係人として手続に参加していただく場合があります。