弁護士田中宏幸のコラム
2014年05月02日 金曜日
特別受益
Q:遺産分割において特別受益ということを聞いたことがありますが、それは何のことですか。
A:共同相続人の中に、被相続人から遺贈を受けたり、多額の生前贈与を受けた相続人がいる場合に、その受けた利益のことを「特別受益」といいます。この場合、利益を受けた相続人は、いわば遺産の前渡しを受けたものとして、遺産分割においては、その特別受益分を相続財産に持ち戻して(これを「特別の持戻し」といいます。)、各相続人の具体的な相続分を算定することがあります。
この特別受益は、法定相続分を修正するもので、共同相続人間の実質的平等を図ることを目的としています。このため、共同相続人が同程度の利益を受けている場合には、このような扱いをしないことが多いです。
ここで注意することは、贈与の場合、持ち戻しの対象となるのは、相続人に対する贈与のみです。相続人の親族(配偶者や子)に対して贈与があったことによって、その相続人が間接的に利益を得たとしても、原則として特別受益には該当しないのです。
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