弁護士田中宏幸のコラム
2013年12月13日 金曜日
相続開始後の建物の居住
Q 父が亡くなり、母、兄、私の3人が相続人になりました。
亡父は生前、母と共に兄夫婦と同居していましたが、父の死後、母は兄嫁とうまくいかず、家を出て私と同居することになりました。
兄夫婦は遺産分割の話にも応ぜず、父の遺産である家(土地を含む)に住み続けています。
私と母の相続分の方が多いので兄に対して家の明渡しを求めることができないでしょうか。
A あなたとお母さんは法定相続分の合計3/4の共有持分権があります。
しかし、その3/4をもってしても、そのことをもって当然に、お兄さんに対し、家の明渡しを求めることはできません。
ただ、お父さんの死去後、お兄さんが従前と異なる使用方法を始めたり、新たな建築物を築造しようとしているときは、家の明渡請求ができる場合もあるでしょう。
ただ、あなたとお母さんは共有持分3/4の賃料相当額につき、お兄さんが不当利得を得ているので、その分を返還請求できるでしょう。