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弁護士田中宏幸のコラム

2012年05月02日 水曜日

遺言の勧め

今回は、遺言を作成しておくことをお勧めするケースについて、お話しします。

民法には「法定相続分」と言いまして、
相続人間で遺産分割の協議(話し合い)が決まらなかったときに、
裁判所が遺産分割を決める割合(何分の何)が定められています。
しかし、ケースによってはこの法定相続分が相続人間で実情に合っていない場合があります。

典型的なケースが、子供さんがいらっしゃらないご夫婦の場合です。
この場合、例えば、夫が亡くなると、夫の遺産は妻が全て相続できるとは限りません。
夫のご両親(直系尊属)が亡くなっておられても、夫の兄弟がおられると、
妻の法定相続分は4分の3です。4分の1は夫の兄弟の意向によっては、
妻は失う恐れがあるのです。

これを防ぐためには、夫が妻に遺産を全て相続させる内容の遺言書を作成しておくことです。
夫の兄弟には遺留分がありませんので、
この遺言書によって妻は夫の遺産を全て相続することができることになります。

なお、遺言書はできるだけ公正証書遺言にした方が安心です。
自筆証書遺言の場合、一つでも要件を欠くと、遺言が無効になってしまう恐れがあるからです。

相続のことでご心配なことがありましたら、ご相談ください。

大阪・難波(なんば)の法律事務所
田中宏幸法律事務所 弁護士田中宏幸