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遺言書の作成

遺言の種類

遺言の種類

民法には、遺言の種類として、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3種類の普通方式による遺言及び、死期が迫っているなど特殊な状況下にある場合に利用する4種類の特別方式による遺言があり、全部で7種類の遺言の方式が定められています。

遺言書は偽造・変造防止のために、厳格な方式が定められており、この規定にしたがって作成しなければ無効な遺言書になってしまいます。

自筆証書遺言

自筆証書遺言とは、本人が本文の全文・日付・氏名を自筆で書いた書面に捺印したものです。
また読み取れる字で、読む者が理解できる文言を用い、法的に有効でなければなりません。
用紙は特に指定はありませんが、ワープロ文字や代筆は認められず、必ず自分で全文を書くことが必要となります。

自筆証書遺言のメリット
  • 費用がかからない
  • 簡単に作成することができる
  • 作成するにあたり証人が不要である
  • 遺言書の内容を秘密にできる
自筆証書遺言のデメリット
  • 不備があると無効になる可能性がある
  • 遺言執行の際に遺族は家庭裁判所で遺言書の検認を受ける必要がある
  • 紛失や改ざん、隠匿のおそれがある
  • 遺言書が発見されない可能性がある

公正証書遺言

公正証書遺言

公正証書遺言は本人と証人2名が公証人役場に出向いて作成する遺言書です。
遺言者が口述した内容を公証人が筆記します。
それを遺言者と証人2人に閲覧または読み聞かせたうえで、その内容に間違いがないことを確認し、遺言者・証人2人・公証人が署名押印します。

公正証書遺言は、証人2名の立ち会いが必要ですが、方式や内容の不備という問題はなくなります。
また遺言書の原本は公証人役場で保管されるため破棄・変造のおそれはなく家庭裁判所での検認手続も不要となります。

公正証書遺言のメリット
  • 公証人が関与して作成するので「内容の解釈」や「形式の不備」をめぐって後日争いになる恐れが少なく、最も確実に遺言を残すことが出来る。
  • 開封時の家庭裁判所の検認手続なしに、遺言内容の実現が可能。
  • 公証人役場に原本が保管されているので、正本、謄本を紛失しても再発行請求ができる。
  • 遺言書の内容を秘密にできる。
公正証書遺言のデメリット
  • 公証人手数料などの費用がかかる。
  • 2名の証人が必要となる。
公正証書遺言には上記のようなデメリットもありますが、確実な遺言を残すためには公正証書遺言を作成することが望ましいでしょう。

秘密証書遺言

公正証書遺言と同じように公証人役場で作成するのですが、遺言書の内容を密封して公証人も内容を確認できないところが相違点です。

秘密証書遺言のメリット
  • 遺言内容の秘密を確保できる。
  • 公証されているから偽造・変造のおそれがない。
秘密証書遺言のデメリット
  • 公証人が遺言内容を確認できないので、形式不備などによる遺言無効のリスクがある。
  • 証人2名が必要になる。
  • 公証人手数料などの費用がかかる。